越境EC物流の最新トレンドを解説します!

1. 円安は「価格優位」だけじゃない
円安がもたらす購買メリット
2025年も円は総じて弱含みで推移。為替は上下しつつも、日米金利差が縮小方向でも急激な円高は見込みにくいとの見方が主流です。 結果として、**日本発の越境ECは「相対的に買いやすい価格帯」**を維持しやすく、初回購入のハードルを下げます。
物流戦略への影響
価格訴求と同時に、送料や関税を含めた支払い総額の見える化でCVRを上げましょう。
2. 「日本製」需要の波:アニメ・美容・食品が強い
人気カテゴリの最新動向
海外ではアニメ・ゲーム由来のグッズ、J-Beauty、抹茶やだしなどの日本食が根強い人気。カルチャー×機能価値の組み合わせが特に強いです。
商品ページの工夫
商品ページは“由来・素材・本物感”を丁寧に翻訳。原産地表示と品質ストーリーで単価を落とさずに勝ち切れます。
3. 越境ECの需要分布:買い手はボーダーレスに動く
購買行動の変化
24か国・24,000人調査では、越境で買う人が多数派。購入の成否は「配送選択肢」「返品しやすさ」「到着予測の正確さ」が握ります。
物流がブランド体験に直結
つまり、物流体験そのものが商品。配送スピードだけでなく、「関税込み(DDP)」「置き配・ロッカー」「事前課金の明瞭性」が鍵です。
4. 米国の“de minimis”廃止で何が変わる?
新ルールの概要
2025年8月29日以降、米国は金額に関わらず課税するルールへ。
物流への影響
移行期の運用混乱もあり、各国郵便や一部事業者で米国宛の一部引受停止・制限が発生しています。米国向けはDDPの標準化、HSコード・関税試算の内製化がマストです。
5. 物流オプションの設計:スピードと安心の二段構え
需要を平準化する二段メニュー
「速いけど高い(優先便)」と「遅いけど安い(エコ便)」の二段メニューで需要を調整。
地域別の最適化
米国向けはDDP、EU/UKはIOSS/UK VAT番号、アジアは関税閾値と禁制品チェックをフローに組み込みます。
6. 在庫の置き方:部分分散×前進配備
ハイブリッド型の在庫戦略
ヒットSKUのみを海外フルフィルメントに前進配備し、ロングテールは日本集中で出す“ハイブリッド”が有効。
コスト管理の指標
関税・保管・輸送を合算した“総物流コスト/件”をKPIに置くと効果的です。
7. 商品ページとCSは「物流を前提に翻訳」する
事前に伝えるべき情報
サイズ・賞味期限・成分・使用電圧・法定表示など、通関と返品に効く情報を先回りで明記。
問い合わせ削減の仕組み
FAQには関税込み/別、返品送料の負担先、再配達の流れを入れて問い合わせを削減しましょう。
8. 為替と関税を“定額化”する工夫
為替リスクの回避
為替はカート時点のレートで固定、米国向けは関税込み(DDP)前払いにしてトラブルを防止。
配送コストの心理的負担を軽減
“送料無料の閾値”や“会員向け送料特典”で顧客体験を改善します。
9. トレンドに乗る商品戦略:カルチャー×機能
物流と相性がいいカテゴリ
アニメ公式品、J-Beautyのミニサイズ、常温菓子・だし・抹茶、工芸の日用品。ギフト需要と相性が良く、軽量・破損しにくいカテゴリが有利です。
梱包と多言語対応
パッケージは多言語成分表示と割れ対策を標準化しておきましょう。
10. まずは今日からできることチェックリスト
実務アクション
- 米国向け:DDPへの切替、HSコード・関税率の棚卸し
- 販売面:支払い総額の見える化(関税/送料/到着目安)
- 在庫:ヒットSKUの前進配備、ロングテールは日本から直送
- CS/FAQ:返品・再配達・関税込み/別を多言語で定義
- 分析:国別CVR×配送メニュー×返品率を週次レビュー
参考リンク(本文の主要情報源・最新動向)
- JETRO|Global Trade and Investment Report 2025(越境ECとデミニミスの整理)
- DHL|E-Commerce Trends Report 2025(越境購買行動・配送の期待値)
- MUFG|内外経済の見通し(為替・金利の最新見通し)
- Reuters|米国のde minimis恒久廃止に伴う各国の引受停止・制限
- 日本郵便|米国のde minimis廃止に伴う取り扱いのお知らせ(実務対応)
AnyLogiの紹介
AnyLogiは、国内外の物流をトータルで支援する物流プラットフォームです。Shopifyをはじめとする多様なECカートやモールと連携し、お客様の物流をシームレスにサポートします。また、国内外に物流拠点を持ち、ローカルの配送ネットワークを活用したフォワーディングサービスや輸出入サービスも提供しています。最短で当日のお見積りが可能です。まずは以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。