越境ECNov 14, 2023
DDPとDAPの違いと利点を解説：国際貿易における重要なインコタームズ
はじめに
国際貿易において、取引条件を明確にするためにインコタームズ（国際商取引条件解釈規則）が用いられます。この記事では、特に「DDP（Delivered Duty Paid: 関税込み渡し）」と「DAP（Delivered At Place: 指定地点引渡し）」の二つの条件に焦点を当て、それぞれの違いと利点について詳しく解説します。
DDP（Delivered Duty Paid: 関税込み渡し）
定義:
DDPは、売り手が輸入国の関税を含むすべての輸送費用とリスクを負担し、商品をバイヤーの指定した地点まで配送する条件です。
利点:
- バイヤーにとってのリスクと費用が少ない: 輸入関税、輸送費用、保険料などすべてのコストが売り手の責任となるため、バイヤーはコスト計算が容易です。
- 輸入手続きの簡素化: 売り手が輸入関連の手続きを行うため、バイヤーは輸入プロセスに関する知識が少なくても取引が可能です。
注意点:
- 売り手にとっては、輸入国の関税や法規制に精通している必要があり、リスクが高まります。
- 輸入手続きの遅延や問題が売り手の責任となります。
DAP（Delivered At Place: 指定地点引渡し）
定義:
DAPでは、売り手は商品をバイヤーが指定した場所まで運ぶ責任がありますが、輸入関税の支払いはバイヤーが行います。
利点:
- バイヤーの制御下にある輸入プロセス: 輸入関税や手続きはバイヤーの責任であるため、自国の法規制に精通しているバイヤーにとっては有利です。
- 売り手にとってのリスク軽減: 輸入関連のリスクはバイヤーが負担するため、売り手は輸出国までの責任のみを持ちます。
注意点:
- バイヤーは輸入関税や手続きに関する知識が必要です。
- 輸入プロセスでの遅延や問題はバイヤーの責任となります。
DDPとDAPの主な違い
- 関税の責任: DDPでは売り手が、DAPではバイヤーが関税を負担します。
- リスクと責任: DDPは売り手により多くのリスクと責任があり、DAPはバイヤーに移ります。
- 輸入手続き: DDPでは売り手が、DAPではバイヤーが輸入手続きを行います。
結論
DDPとDAPは、国際貿易における重要なインコタームズであり、それぞれに独自の利点とリスクがあります。取引の性質、両当事者の経験、およびリスク許容度に基づいて、最適な条件を選択することが重要です。この記事が、DDPとDAPの違いを理解し、より効果的な国際取引を行うための参考になれば幸いです。
